子どもが性器を触ってる⁉
指しゃぶりをしていたわが子。4歳頃にようやく指しゃぶりを卒業したかなと思ったら、次はパンツに手を入れてもぞもぞ。指しゃぶりと同じタイミング(怒られたときや情緒不安定そうなときなど)にするので、指しゃぶりの代わりにするようになったのかなぁ…と思っていました。
頻繁にパンツに手を入れているので、私は子どもに「手、入れたらあかんで」「汚いからやめて」と言っていました。なんでそんなにパンツにて入れるんやろ…と少し悩んだ時期もありました。
同じように、子どもが自分の性器を触る行為に悩んだことのある保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、小さい子どもが自分の性器を触る”性器タッチ”について、私の学んだことをまとめてみようと思います。
性器タッチ
これってしてはいけないこと??
子どもがパンツに手を入れているのをみると、「手、入れたらあかんで」「汚いからやめて」と言っていた私。子どものしている行為が、あたかも悪いこと、してはいけないことのような口ぶりです。
ここで考えたいのが、自分で自分の性器を触るという行為が、果たして悪いことなのか、してはいけないことなのか…ということ。私がなぜやめてほしいと思ったのか、その理由について考えてみました。
おしっこが出る場所だから、そこ触ると手が汚れるんじゃないか…性器を触るのはなんだか恥ずかしいことだと感じているからやめてほしい…そんなふうに思っていたことに気がつきました。
大切にしたい2つのポイント
からだの自己決定権
からだの自己決定権という言葉を聞いたことはありますか?からだの自己決定権は、「自分のからだは自分のもの」「自分のからだのどこに、誰が、どのように触るか、自分で決められる」ということです。
自分で自分のからだを触ることは、いけないことでも恥ずかしいことでもない。自分のからだに興味を持ち、自分のからだのどこを触るのか、それは自分で決めていい。当たり前のことだと思うのに、私自身わかっているようわかっていなかったことでした。
プライベートゾーン
先ほどの ”からだの自己決定権” =あなたのからだはどこもかしこも全部大切なところだよ ということと合わせて知っておきたいのが、プライベートゾーンのこと。プライベートゾーンは、”水着で隠れる場所(胸、おしり、性器)と口” 。からだはどこも大切なところだけど、その中でも特に大切なのがプライベートゾーンです。
プライベートゾーンは、「自分だけの大切な場所」なので、「見たり触ったりしていいのは自分だけ」ということです。なので、他の人に見せたり触らせたりしてはいけないし、他の人のプライベートゾーンも見たり触ったりしてはいけないんですね。
どう対応したらいい??
性器タッチは自然なこと
子どもが自分の性器を触る”性器タッチ”(性器いじりや幼児自慰)は、思春期以降の性行動とは違っていて、性欲からくるものではないといわれています。性器を触っているうちに、偶然気持ちよさに気がつき、心地よさや安心感を得るため、不安な気持ちを解消するためにする行為といわれています。
また、幼児期の子どもは、自分や他の人のからだに興味津々な時期でもありますよね。私も長男に「ママにおちんちんはないの?」と、男女のからだの違いについて聞かれた経験があります。自分のからだの一部で、男女で違いがある性器は、より気になる興味の対象なんだろうなと感じます。
男の子であっても、女の子であっても、幼児期に性器を触る/自慰行為をすることは珍しくないようですが、小さな子どもがすることに戸惑いを感じる方もいると思います。(私も実際そうでした…)
ただ、それを自然な行為であると受け止められると、性器を触る/自慰行為をすることを『やめさせなくてはいけない!』という思いにとらわれることなく、子どもたちに接することができるのかなと思います。
プライベートゾーンを触るときのお約束
性器はプライベートゾーンのひとつで、自分だけが見たり触ったりしてもいいとても大事な場所です。性器を触る/自慰行為をすることは、決して恥ずかしいことでもしてはいけないことでもないけれど、大事な場所を守るために性器を大切に扱う方法をお約束として伝えるといいのかなと思います。
❁人前では触らない
❁ひとりだけの時間や場所で触る
❁きれいな手で触る
❁やさしく触る(強い刺激は与えない)
伝え方のポイント
性器を触る/自慰行為をすることが自然な行為だとわかっても、実際に現場に遭遇したり、指摘されたりすると、戸惑いや動揺があるかと思います。しかし、「止めなさい!」「触っちゃダメ!」というように厳しい口調で言い続けるのは、子どもによくないことだ、してはいけないことだというネガティブなイメージを植え付けかねません。
私も「触ったらあかん」「汚いからやめて」と子どもに言っていました。子どものからだは汚いのか、恥ずかしいのか…そんなことないですよね。言い方ひとつで、子ども自身が自分のからだを汚い、恥ずかしいと捉えかねない。
なので、伝えるときはプライベートゾーンを触るときのお約束を簡潔に!「触るんだったらきれいな手でやさしくね」「お家になかでひとりのときだけね」と伝えるようにしています。
Iメッセージで伝えるのもよいですね。「ママはあなたの大切な場所が傷つくと心配だから~してほしいんだ」「ママはあなたが病気になってほしくないから~した方がいいと思うんだ」というと、子どもの気持ちも尊重しながらお願いや思いを伝えられます。
自然な行為ではあるけれど、場所や時間に限らず触っているようなとき、どうしても気になるときは、ストレスや精神的な不安定さがあることがあります。手を繋ごうなどと代替案を示したり、一緒に体を動かして遊んだりするなどコミュニケーションやスキンシップをとることを心がけるとよいそうです。
まとめ
子どもが性器を触っていたり、自慰行為をしているのを見聞きしたとき、どのように感じますか?性器タッチや幼児自慰は自然なことであること、からだの自己決定権のこと、プライベートゾーンのこと…これらを知ると、大人の私たちも受け止め方が変わるのではないでしょうか。
また、私たち大人のひとことが子どもたちのからだ観に影響するかもしれない…と思うと、自分自身の性に対する考えやイメージを見つめ直すことはとても大切だなぁと改めて感じます。子どもたちが自分のからだをいいものだと思えるように、私も伝え方を意識できたらなと思っています。
前回紹介した『だいじ だいじ どーこだ?』という絵本にも、プライベートゾーンの大切さが描かれています。子どもに説明するときに、絵本を読んで教えてあげると伝わりやすいかもしれませんね♪
