じぶんのからだはじぶんのもの
わが子たちに性教育での学びを意識して接しはじめたのは、三男を出産してからのこと。まだまだ、私自身も勉強中!子どもたちと一緒に練習中!という感じで、ゆる~く続けてきました。今回は、じぶんのからだはじぶんのもの=”からだの権利”について、日常生活で伝えてきたことが、伝わっているかも…♪と思えた、最近の子どもたちのエピソードをご紹介したいと思います。
じぶんのからだはじぶんのもの
ある日のこと
あと2か月すると3歳の誕生日を迎える次男。ここ最近お話が上手になってきて、長男を交えて家族で会話をするのが楽しいなぁと感じるようになりました。そんな次男が、みんなで一緒にお風呂に入っているときこんなことを言ったんです。おへそをなんとなく大切そうに触りながら…
「ぼくのおへそは、ぼくのだから、ぼくがさわっていいんだよ~」
そうです!そうなの!その通り!と心の中で拍手喝采。「そうだよ~、じぶんのからだはじぶんのだからね、いいよ~」と言うと、そのあとも脇や髪を触りながら同じようなことを繰り返していました。
その他にも、長男に背中を押されたときに「やめて!ぼくのからだ!にーにが、えいってした!」と怒っていたり、三男にお風呂で性器を触られたときに「〇〇くんがぼくのをさわった!」と言っていたり、「ママの脇、さわっていい?」と聞いてきたり(次男は寝かしつけのときになぜか私の脇を触りたがるのです…)。
じぶんのからだはじぶんのもの、という意識が次男の言葉から感じられました。そして、~していい?と同意をとってくれたこと、嫌だという気持ちを言葉にしてくれたことに感動!日々の生活で意識して関わってきたことが伝わっているんだなと感じられて、とても嬉しかったです。
”じぶんのからだはじぶんのもの”と伝える
性教育関連の絵本を読むことはありますが、次男に何か教えよう!と思って伝えたことはほとんどありません。子どもとの関わりの具体例として、思い出せるものといったら…
- 背中にどん!と乗られて、私が「痛い!」と言うと、次男に「いたくないよ!」言われた。そのときに「ママのからだはママのなの。痛いか痛くないかはママが決めるの!」と伝えた。
- お風呂上りに、パパの性器が気になったのか次男が触ったことがあった。パパが「パパのだいじだいじだから、人のは触らないよ」と伝えていた。
- 三男がお風呂のときに長男や次男の性器が気になって触ることがあった。そのときに、「じぶんのからだはじぶんのもの、触っていいのはじぶんだけ。だから、人のを触ったらあかんね」と伝えた。
- ハグしたいときや、ふれあい遊びをするときに、「ねぇねぇ、ぎゅーしていい?」などと~していい?と聞く。だめ、いやと言われたら、「そっかぁ、わかった」とやめる。いいよ、と言われてやったときに、途中でいやだ、やめてと言われたらすぐにやめる。
- 寝かしつけのときに、私の脇を触ってくるので、「ママのからだはママのなの。触っていいか、聞いてほしい」と伝えた。(だいたい私の答えはNO。ママがとんとんするのでいい?と聞くと、じゃぁそれでと納得してくれる)
性教育を学びはじめてから、とても大切だと感じるのが ”からだの自己決定権”。自分のからだは自分のもので、誰がどう触るのかを決める権利は自分にある、ということ。当たり前のことだけど、性教育を学ぶまでわかっているようでわかっていなかったこと。このことを知っているからこそ、子どもの、そして自分の、からだとこころを大切にできるようになってきました。
子どもの『からだの権利』を尊重する
『からだの権利』って?
国際セクシュアリティ教育ガイダンスのなかで、『からだの権利』について記載されている項目があります。子どもたちが『からだの権利』の意味について説明できる、誰もがもつ権利として認識できることが、学習目標としてあげられています。その『からだの権利』の具体的な内容が、以下の6つです。
- からだのそれぞれの器官、パーツの名前や機能について十分に学ぶことができる
- 誰もが自分のからだのどこを、どのようにふれるかを決めることができる
- からだは自分だけの器官であり、誰かが勝手にさわることはゆるされない(虐待や搾取をされない)
- からだが清潔に保たれて、ケガや病気になったときには、治療を受けることができる
- こころとからだに不安や心配があるときには、相談できるところがあり、サポートを受けることができる
- 5 までのことが実現できていなときは、やってください、やめてください!と主張することができる
先ほど触れた”からだの自己決定権”についても書かれていますね。自分のからだを大切にするためには、『からだの権利』について学んで、権利を主張できる力が必要になります。子どもたちが自分のからだを大切にできるようになるためには…やはり、私たち大人が権利を尊重した関わりをすることが大切になるのではないでしょうか。
私が意識していること
子どものからだの権利を尊重する関わりで、私が大切にしていることや意識していることを挙げてみたいと思います。
- 何かするとき(例:鼻水を拭く、おむつを替える、からだを洗う、手を繋ぐ、ハグする…)には、~していい?と声をかける。
- 子どもがいやだと言ったら、やめる。子どものいやだという気持ちを受け止める。
- 私が嫌だなと感じたことには、子ども相手であっても嫌だからやめてほしい、と伝える。
- 子ども同士の関わりで、片方がいやだ、やめてと言ったら、すぐにやめるように伝える。
- からだの名称や役割、仕組みなどを子どもに伝える。子どもに質問されたら、答える。
- 子どもの感じたことを否定したり、決めつけたりしない。
子どもたちの境界線(バウンダリー)を大切に同意をとるように意識したり、子どもの意思、嫌だという気持ちを受け止めて尊重したり、自分の嫌だという気持ちを表現したり。他にももっとできることはあるのかもしれないけれど、今思いつくのはこれくらい…
これらのことは、今まで生きてきた中で意識してこなかったことばかりなので、正直めちゃくちゃ難しい!!!今日も声をかけずに鼻水を拭いて三男に怒られました。つい先ほどは、いい加減早く寝なさい!と子どもたちの意思に関係なく私都合で声を荒らげました。そして、寝かしつけ中に次男に脇を触られて、もう!やめてよ!と手を払いのけました。
挙げたことはできるときもあれば、そうでないときもあります。伝え方も強い口調になってしまい、さっきのは言い過ぎたな、やりすぎたな…と思うことも多いです。ブログを書きながら反省するのですが、懲りずに同じことよくやっていますので、これまた反省です!(大体、日々精進しますとブログを締めくくっている気がする…)
さいごに
できていないことも多いですが、それでも意識して繰り返し伝えることには意味があったんだ!と思えた次男の言葉。嬉しいエピソードだったので、知ってほしい!という思いもあり書き残しました。
次男が ”じぶんのからだはじぶんのもの” と思えていること、NO(いやだ、やめて)と言えること、~していい?と聞けること。これは、自分のからだとこころを大切にし、相手のからだとこころを大切にするために、必要な力だと思っています。
そして、このような力が、権利を尊重された、自分を大切にされた経験をたくさん積むことによって得られるものなのであれば、やはり子どもが小さいうちにお家でも性教育を実践するのがいいんじゃないかな、と思うのです。
今回の記事を書くために参考にしたのが『からだの権利教育入門 幼児・学童編』です。保育園看護師としての勤務経験があるので、これを知っていたらもっといい保育や看護ができたなぁ…と感じることがたくさん!実際の保育や教育の現場で活かせる工夫や実践例があり、とても参考になりますよ。
