性教育

親子の触れ合い

もえ
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今日は ”触れ合い” について。性教育とも関連が深い大切にしたいテーマです!

親子の触れ合い

お盆休みが明けましたね。長期休暇明けのクリニックは混むことが多く、とっても忙しい勤務の日がありました。そんな日もパパの帰宅まで、ワンオペ家事育児!ノンストップで走り抜け、パパが帰宅してからは、ゴロンと寝転がってもう動けない…

そのとき、急にハグしてほしくなったのです。「だれかぎゅーして~」と言うと、子どもたちが飛んできてくれて、一人ずつハグしてくれました。幸せな気持ちでいっぱいになり、癒しの時間となりました。

今回のテーマは”触れ合い”です。性教育に直結する大切なことだなぁと思うので、触れ合いがもたらす力、性教育との関係、お家でできることをまとめてみました。

触れ合いがもたらす力

触れ合うとどんな気持ちになりますか?

抱っこやおんぶ、ぎゅーっと抱きしめる、手を繋ぐ、膝に座る、頭をなでる、目と目を合わす…日常生活で子どもと触れ合うこと、たくさんあると思います。パートナーや家族、友人など誰かと触れ合うとき、どんな気持ちになりますか?

仕事に家事育児に疲れた日に子どもたちがハグしてくれたとき、幸せ、落ち着く、癒される、嬉しい…喜びに満ちた気持ちになりました。安心できる人との触れ合いには、こころやからだが安心や幸せを感じるというような“プレジャー(心地よさ、満足感、喜び)”があります。

触れ合いで育まれるもの

安心感と信頼感

愛情ホルモン、幸せホルモンとも呼ばれる 「オキシトシン」 というホルモンを知っていますか?オキシトシンは妊娠や出産に関わり、母乳の分泌や子宮の収縮を助ける働きがあります。ですが、それだけではありません。妊娠中や出産前後の女性に限らず、誰のからだでも分泌され、さまざまな効果を発揮することがわかっています。

特に、スキンシップによってオキシトシンが分泌されると、ストレスをやわらげ、心を落ち着かせる効果があります。肌と肌が触れ合う温かさは「ここは安心できる場所だ」と感じさせてくれるのです。つまり、ふれることそのものが安心感を生み出します。

さらに、目と目を合わせ、あたたかな言葉をかけながら愛情をもって触れることで、子どもは「ここにいていい」「愛されている」というメッセージを受け取ります。それは「自分はこの世に生まれてきた価値があり、歓迎されている」という実感につながり、自分自身の存在への信頼感を育みます。

また、優しく触れてくれる親や周りの大人を「安心できる、信頼できる人」と感じるようにもなります。触れ合いは 安心感と信頼感を育む大切なコミュニケーション といえるのではないでしょうか。

自己肯定感の土台に

自己肯定感とは、「自分は大切な存在」「自分には価値がある」「かけがえのない存在だ」と感じられる心の状態のことです。これが育まれると、自分を信じる力、他者とより良い関係を築く力、挑戦する力や困難を乗り越える力につながります。

繰り返しになりますが、触れ合いを通して「あなたの存在そのものがそのままで大切なんだよ」というメッセージが伝わると、子どもは「自分はありのままで愛される価値ある存在だ」と実感できます。さらに、愛情ある触れ合いが繰り返されることで「この人は自分を大切にしてくれる」という信頼感が生まれます。安定した信頼関係の中で育つことで、子どもは自分を信じる力を獲得していきます。

「自分は愛され、大切にされる存在だ」という感覚を育むこと。それが自己肯定感の基盤となり、やがて「自分を大切にし、相手も大切にできる」性教育の土台にもなると思っています。

触れ合いと性教育

心地よい触れ合いは、子どもに”快の感覚”を教えてくれる大切な体験です。心地よい抱っこやなでなで、安心できるハグや手をつなぐ経験は、子どもにとって「快=気持ちいい、うれしい、安心できる」という感覚を育てます。

そして、快の感覚を知っているからこそ、「嫌だな」「なんだかもやもやする…」といった不快感や違和感にも気づけるようになります。この感覚は、自分を守るための大切な力です。

私たち大人にできるのは、子どもの感覚を尊重すること。「いや」と言われたらやめるのはもちろんのこと、言葉にしなくても、表情や態度、体の動きで「いや」を表すこともあります。そんなサインを受け止め、子どもの感覚を大切にできる関わりが必要です。

スキンシップを嫌がられたときにすぐにやめるなど、自分の感覚を大切にされた経験を重ねることで、子どもは「自分の感覚を信じていいんだ」と思えるようになります。そして、嫌だと感じたときに「やめて」と言える力にもつながります。

触れ合うときの声かけも大切です。「今から抱っこするね」などと一声かけることは、「じぶんのからだはじぶんのもの」という意識を育てるチャンス!それは、触れる側も触れられる側も同じです。

心地よい触れ合いは安心感や信頼感を育むだけでなく、「じぶんのからだはじぶんのもの」という感覚や自分や相手のこころとからだを大切にする力を育みます。みなさんが日常で行っているスキンシップで、性教育で伝えたい大切なメッセージを届けることができますよ!

お家でできること

遊びのときにふれあい遊びを取り入れるもよし!ベビーマッサージに通うもよし!でも、忙しい日々の中、お世話の合間にもできることもたくさんありそうです。例えば…

  • 抱っこやおんぶのときにからだを優しくなでる
  • おむつ交換などの子どものお世話のときにぎゅーっとハグをする
  • 目と目を合わせて、おはよう/おやすみの挨拶をする
  • ほめるときに頭をなでる

あなたが大切だよと感じてもらえるように心地よい触れ合いを積み重ねていきたいですね!心地よい触れ合いのために私が大切にしたいこと(大切にしているけど、なかなかできていないこと)は、「意識して関わること」「子どもの気持ちを尊重すること」です。

一声かけて、丁寧に

おむつを替える、着替えを手伝う、鼻を拭く。こうした日常のケアの場面こそ、「今からするね」「やってもいい?」と一声かける習慣を。これは、「じぶんのからだはじぶんのもの」だという意識を育てる第一歩です。

このあいだ、食後の三男の口を何も言わずにグイっと布巾で拭いたときには、相当怒られました…。やはり、一声かけて、丁寧に、がお世話するときには大事だよねと改めて感じた日常の一コマでした。

大人がされて嫌なことはしない

先ほどのエピソードでもそうですが、私たちも無言で急に口元を布巾で拭かれたらどうでしょうか。実際にされたら、え!?なに??ちょっとやめてよ!となると思います。三男もきっと同じような気持ちだったのではと推測します。

小さい子どもならではのプリっとしたお尻が可愛いからなでなでする、というのもちょっと立ち止まって考えてみるとどうでしょう。大人だったら同じことをしますか?たとえ自分の子どもであっても、1人の人です。どこを触ってもいい、どうやって触ってもいいというわけではありません。

子どもであっても、1人の人としての権利を尊重する関わりを持ちたいですね。大人がされて嫌なことは子どもであってもしない。当たり前のことだと思うのに、実際やってしまっていることありませんか?

子どもの気持ちを受け止める

子どもとの今、ここを大切にしながら、表情や言動をよく見てみる。そして、子どもの表情や言動から「今、この子はどんな気持ちなんだろう?」と想像して、「〇〇なんだね」と言葉にすると、子どもは自分の気持ちを大切にしてもらえていると感じます。

何かをしたいとき、しているときに、「やめて」と言われたら、すぐにやめるようにすることが大切です。NOを言える、そしてNOを受け止めてもらえる関係は、子どもたちにとって安心の土台になりますよ。なかなか現実はうまくいかないことばかりですが、NOと伝えてくれたときには、伝えてくれてありがとうと言いたいな、と思っています。

さいごに

心地よい触れ合いは、安心感と信頼感を育み、自己肯定感の土台をつくります。そして、「じぶんのからだはじぶんのもの」と感じ、自分や相手のからだとこころを大切にできる力を育みます。

日常のなにげない触れ合いひとつにも、性教育で伝えたい大切なメッセージを伝えることができます。性教育と聞くと、生殖や性交にまつわることと思いがちですが、それだけではありません。私も子どもたちに、あなたが大切というメッセージを日々の生活の中で伝えていけたらな、と思っています。

もえ
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子どもとの触れ合いで、あなたが大切というメッセージを伝えましょう~

今回の記事を書くために参考にしたのは、山口創先生の著書です。アロマやタッチングのお仕事をされている方に教えていただきました。子どもと一緒に読んで楽しい絵本もオススメです!読んだ本はこちら⇩