職員研修の感想をいただきました
2025年12月末に神戸市東灘区の甲南こども園にて、職員研修の機会をいただきました。そして先日、その研修の感想を、園長先生より郵送にてお送りいただきました。忙しい日々の中で、時間をとって言葉にし、こうして丁寧に届けてくださったことに、心から感謝の気持ちでいっぱいになりました。
一通一通を大切に読み進める中で、「この研修を園として大切に受け止めてくださっていたこと」、そして「先生方一人ひとりが、日々の保育と結びつけながら考えてくださっていたこと」が伝わってきて、胸が熱くなりました。
改めて、このような機会を設けてくださった甲南こども園の園長先生、そして研修の感想をくださった先生方に、深く感謝申し上げます。
「性教育」のイメージが変わった、という声
今回の職員研修では、「性教育のイメージをアップデートすること」、そして「包括的性教育の視点を活かして、日々の保育でできる小さな一歩を考えること」をゴールにお話をしました。
先生方の感想の多くに共通していたのは、研修を受ける前と後で、性教育に対するイメージが大きく変化した、という声でした。「性教育」という言葉から、難しさや重たさ、学校で学ぶ限られた内容を思い浮かべていた先生方が、研修を通して、性教育はとても身近で、日々の保育や生活そのものにつながるものだと感じてくださっていました。
今回の研修では、時間の都合上私が一方的に話す場面が多かったのですが、先生方の「自分自身の保育や関わりを振り返る時間」になったのではないかと、感想から感じました。
先生方の声から見えてきた、大切な気づき
素敵な感想を数多くいただいたので、ここからは、先生方から寄せられた感想をご紹介いたします。(表現は一部要約・抜粋しています)
性教育は「ライフスキル」であり、「子どもの権利」
研修を通して多くの先生が気づかれていたのは、 性教育が生殖やからだの知識にとどまるものではなく、 自分の気持ちやからだを大切にし、他者と関係を築いていくための「生きる力=ライフスキル」であり、一人ひとりの子どもがもつ「権利」に深く関わるものだという点でした。
「性教育という言葉だけでは難しいイメージがありましたが、研修を受けて身近なものに変わりました。自分自身の保育や生活の中の性は“ライフスキル”であり、“権利”を尊重できているかを考え直すきっかけになりました」
「子どもにも自分にも境界線があり、その中には気持ち、空間、物、時間など様々なものがあり、自分自身に決定権があるということを改めて学びました」
「まだ子どもだから」ではなく、一人の人として
感想の中で繰り返し語られていたのは、 「まだ子どもだから」という大人の視点ではなく、 子どもを一人の人として尊重する関わりの大切さでした。
「学校で性教育を学ぶ機会が少なかったからこそ、幼い頃から学べることの大切さを感じました。“まだ子どもだから”ではなく、どの子どもにも権利があるという視点を大切にしていきたいです」
「着替えや排泄の場面で『〜してもいい?』と声をかけてきたつもりでしたが、“いやだ”と言いにくくさせていなかったか、きちんと同意を取れていたかを見つめ直すきっかけになりました」
「大切にされる経験」が育てるもの
研修の中でお伝えした「大切にされる経験」についても、多くの共感の声が寄せられました。
「自分が大切にされる経験があってこそ、他者も大切にできるようになるという点が印象に残りました。自己肯定感や自己決定の土台になると感じました」
「一人ひとりの想いを受け止め、時には気持ちを代弁し寄り添うことが、子どもにとって“大切にされる経験”そのものだと感じました」
日常の何気ない関わりが、 子どもの将来の人間関係や、自分で選び決めていく力につながっていることを、 先生方自身が再確認されているようでした。
保育者として、そして親として
感想の中には、保育者としてだけでなく、 親としての立場から受け止めてくださった声も多くありました。
「親として、どのように性教育をしていくべきか改めて考えることができました。絵本を使いながら、少しずつ話していきたいと思いました」
「これまで恥ずかしくてはぐらかしてしまっていたことも、子どもからの質問に向き合っていこうと思えました。もっと早く聞けていたらよかったです」
保育と家庭が切り離されたものではなく、 どちらも“子どもを一人の人として大切にする”という点でつながっていることが、感想から伝わってきました。
すでに行われている保育実践に性教育が
先生方が日々の保育の中で行われている、子どもの気持ちを受け止めること、声をかけ丁寧に関わること、一人の人として尊重すること、安心できる関係性を築くこと…これらはすべて、包括的性教育で大切にしている視点そのものです。研修を通して、「これまでやってきたことが、実は性教育にも繋がっているんだ」と気づいていただけたことを、とても嬉しく感じています。
私自身も、以前は保育園で勤務していました。その経験から、保育で大切にしていることと性教育で大切にしていることに多くの共通点があると感じていました。どちらも、子どもを一人の存在として尊重し、安心できる関係性の中で、自分の気持ちや考えを大切にできるよう支えることが土台にあると思っています。
性教育は、日常の関わりのなかに
日本版DBS(性犯罪を防止する措置の一つとして、対象の事業者に対し、子どもに接する仕事に就く人について、性犯罪歴の確認を義務付ける制度)に関するニュースを見た方もいらっしゃるかと思います。
子どもに関わる現場において「子どもの権利」や「安全」をどう守っていくのかが、社会全体でより強く問われるようになっています。その中で、学校・認定こども園・保育所などが職員研修として性教育を扱うことは、子どもの権利を守るための大切な取り組みであると同時に、保護者の方にとっても大きな安心につながるものだと感じています。
性教育は子どもたちが安全で安心できる環境の中で、自分らしく成長していくために欠かせないものだと考えています。そのために大切なのは、まず子どもと関わるすべての大人が、
性教育を特別なものとするのではなく、日々の関わりの延長線上にあるものとして知っていくことではないでしょうか。
今回の研修と先生方の感想を通して、保育の現場にはすでに、性教育で大切にしたい関わりがたくさん実践されていることを、私自身も改めて実感しました。これからも、保育や子育ての現場に寄り添いながら、性教育の大切さを、必要としている方に、必要な形で届けていきたいと思っています。
このような学びの機会をいただき、そして先生方の大切な言葉を共有してくださった甲南こども園の皆さまに、心より感謝申し上げます。








