話してくれてありがとう
子どもから突然、「話したいことがあるんだ」と言われたら。そして、その内容が思わずドキッとするものだったら、みなさんはどうしますか?先日、わが家でもそんな出来事がありました。保育園であったプライベートゾーンに関する出来事を、わが子が勇気を出して話してくれたときのことを振り返りながら、今回この記事を書いています。
性教育について学び、伝える活動をしている私ですが、その瞬間は頭の中がプチパニック。「どうしたらいいんだろう」「あの対応でよかったのかな」と、何度も振り返りました。この記事では、わが家で実際にあった出来事と、その経験を通して私が感じたこと、そして改めて大切だと感じた「話してくれてありがとう」という言葉について綴っています。
「ママ、話したいことがあるんだ」
今日は、先日わが家であった出来事について書こうと思います。子どもに起こった出来事なので詳細は書きませんが、保育園でプライベートゾーンに関することがあり、「いやな気持ちになったんだ」と話してくれた出来事です。
その話をしてくれたのは、土曜日の夜、お風呂上がりでした。「からだ拭いて〜」と言われたので手伝っていると、「ママに、話したいことがあるんだよね。」と言われて、なになに?と聞いていたら、こしょこしょと小さな声で、こんなことがあったんだと話してくれました。
話の内容は、プライベートゾーンに関すること。最初は、わが子がしたのか、されたのか、どっちなんだろう…と思うような話し方だったので、私は頭の中がプチパニック。「え!?あなたがしたの?されたの?何があったの?」そんな気持ちになりました。
でも、その時に一つだけ、「ダメだよ!」「なんでそんなことしたの!」「なんでそんなことされたの!」だけは絶対に言っちゃダメ…その言葉はグッと堪えて、「そうだったんだね。プライベートゾーンは見るのも触るのも自分だけだよ。自分のを見せたり、人のを見ることもしないよ。」そう伝えて、その場はいったん終わりました。
そのあと、私は「~するんだよ。」と子どもに伝えたけど、果たしてこれでよかったんだろうかと、心がざわざわ。私が伝えたいことは伝えたけど、子どもはその時どう感じたのか、今どう感じているのか、なぜ私に話してくれたのか、何かしてほしいことはないか…子どもの気持ちが知りたくなりました。
そこで、子どもと話すきっかけがほしくなり、「アイスでも買いに行く?」と誘って、夜のお散歩へ出かけました。さっきは、私の言いたいことだけ言ってしまったかなと思っていたので、「そうかそうか、そうだったんだね」と子どもの話を聞きたいなという気持ちで話をしてみました。
歩きながら、「さっき話してくれたことなんだけど、どうしてママに話してくれたの?」と聞いてみました。すると、「先生には言えなくて、聞いてほしかった。」そう話してくれました。「ママにできることある?」そう聞くと、「ぎゅーして。」と言ってくれました。
「話してくれてありがとう」と伝えたい
この出来事を振り返って、最初に思ったのは、「突然言われると、どうしていいか分からない!」ということでした。性教育に関する本もたくさん読んできたし、講座でもお話をしています。それでも、あとから「ああしたらよかった」「こうしたらよかった」が、本当にたくさん出てきました。
その中でも一番思ったのが、「話してくれてありがとう。」まず、この一言を伝えたかったということです。そして、「その時どんな気持ちだった?」「今はどんな気持ち?」「話してみてどう?」そんなふうに、子どもの気持ちをもっと聞けたらよかったなと思っています。「どうして?」と問い詰めるのではなく、あなたが感じていることを聞かせてほしい、安心を届けたい、そんな姿勢でいたいなと改めて思いました。
今回、私に話せると思って「こんなことがあったんだ」と話してくれたんだと思っています。子どもにこの人なら安心して話せるわ、と思ってもらえるように…そんな関係を築くのに私はどうしたらいいのか、とっても難しいなと感じています。余裕のない毎日で、安心を届けられているのかわからない。でも、そう思ってもらえるように、できるときにできることをやろうと、日々過ごしています。
一方で、わが子が話してくれた時の私を振り返ると、いつも通りの私でしかなかったな、とと思っています。いつもしていること、意識していることはできていたのかな、と。
プライベートゾーンに関する話を聞いても、にダメ!なんで!と言わないように、頭ごなしに否定しないように意識できていた。ただ、子どもが私がそれはしてはいけないんじゃない?と思うことをしたときに、「こうしたほうがいいんじゃないか」とまず正そうとするのも、いつもの私でした。
そして、あとから、そういえばそんなことをする子どもなりの理由があったんちゃうかとハッとして、さっきさぁ…と子どもに聞くのも。(これは10回に1回くらいですが、ハッと気づけるときがあります。大体は子どもの気持ちをスルーして、いい加減にしなさい!とか言ってます…)
「話してもいい」と思えたきっかけに
土曜日の夜にこの出来事があって、週明けに保育園へ行くと、掲示板に活動の記録が貼ってありました。そこには、「木曜日にプライベートゾーンについてお話をしました。」と書かれていました。いやな時は『いや』と言っていいこと、何かあったら大人に話そう。そんな内容でした。
それを見て、あぁ、これもあって『話したいことがあるんだ』と話してくれたんだ、と思いました。子ども自身が、「いやな気持ちになった」と話せたこと、そして、話せる大人がいたこと、それは本当によかったなと思いました。それと同時に、私自身が突然の話に驚き、焦り、プチパニックになったように、どれだけの大人が子どもからこんなことがあってね、と打ち明けられたときに受け止められるのだろうか…とも思いました。
わが子からこんな話があって、私もこんな気持ちになって、どうしたらよかったのかなぁとざわざわ、もやもやしていたので、実は私も2か所に相談したんです…。話を聞いてもらえて、ポジティブなフィードバックをいただけて、とても安心しました。
子どもへの性教育はとても大切だと感じていますが、それと同じように、大人にも知っていてほしいことがたくさんある。子どもたちに安心できる人が必要なのと同じくらいに、大人にも安心できる、安心して話せる人や場所が必要だなぁと感じた出来事でした。
さいごに
この話をブログに書くことも、実はとても悩みました。私だけの話ではなく、わが子も関わる出来事だからです。でも、あの日から数日間、「あれでよかったのかな」と何度も振り返りました。
きっと同じように、子どもから話を聞いて、「どうしたらよかったんだろう」と悩む方もいると思います。私も、その一人でした。だからこそ、この経験が誰かの役に立てばいいな、そんな気持ちで書きました。
子どもたちにとって、「この人になら話しても大丈夫」と思える大人が、一人でも増えていきますように。そして、その大人自身も、一人で抱え込まず、安心して話せる人や場所を持てますように。そんなことを改めて感じた出来事でした。







