子宮頸がん検診に行きました
日本では毎年約1万人が子宮頸がんと診断され、毎年約2800人が子宮頸がんで亡くなっています。そして、子宮頸がんは若い世代に多いがんでもあります。
高いリスクのHPV(ヒトパピローマウイルス)が子宮頸部の細胞に何年間も感染すると、そのうちごくの一部の方に子宮頸がんが発症してしまうといわれています。そのため、HPVワクチンを接種することで、高いリスクのHPVにかかることを防ぎ、子宮頸がんの予防に効果があるとされています。
三男を妊娠したときに受けた子宮頸がん検診から約1年が経ったので、かかりつけの産婦人科に子宮頸がん検診を受けに行きました。今回、検診に行っていろんなことを思い出したので、つらつらと私の思いを書きたいと思います。
子宮頸がん検診と私
HPVワクチン定期接種開始当時の私
皆さん、HPVワクチンの定期接種が始まったときのことを覚えているでしょうか。2013年4月のことなので、私は当時大学2年生でした。その2か月後の2013年6月に、ワクチン接種後に多様な症状の報告があり、HPVワクチン接種の積極的勧奨が差し控えられるという出来事がありましたね。
私は、HPVワクチンを接種していません。正確なことを覚えていないのであやふやな記憶ですが、私はおそらく当時の定期接種対象者ではなかったのだと思います…。同級生の友人のなかには、HPVワクチンを接種した子もいました。その友人のうちの一人は、子宮頸がんでお母さんを亡くしていました。
当時の私は、ワクチンを接種するかしないか選択すらしなかったように思います。ニュースを見てこれは怖いなぁとは思いましたが、自分も予防接種をした方がいいんだろうかと考えたり、家族と打つか打たないかどうしようかと話し合った記憶もありません。どこか他人事のような…そんな感じでした。
小児科クリニックでの経験
今は保育園で看護師をしていますが、その前は小児科クリニックに勤めていました。今から5年くらい前のことです。HPVワクチンの定期接種の積極的勧奨が再開されることが決まったのが2021年11月なので、私が小児科クリニックに勤めていたころは、まだ積極的勧奨が差し控えられているときでした。
勤めていたクリニックの院長先生は、この状態は良くない!と私たち看護師に熱心にHPVワクチンについて教えてくださり、かかりつけで来院される接種対象年齢のご家族にHPVワクチンのお話をされることがありました。
ワクチン接種を希望される方は数えるほどでしたが、それでもHPVワクチンについての正しい情報が少しでも多くの人に伝わるように、私も微力ですが取り組んでいたことを覚えています。
HPVワクチンに対する私の思い
子宮頸がんワクチン⁉
HPVワクチンのことを子宮頸がんワクチンだと思っている方も多いのではないでしょうか。子宮頸がんワクチンと呼んでしまうと、どうも女性だけのイメージになってしまいますが、男性にも関係があります。
HPVは、子宮頸がん以外にも、肛門や咽頭(のど)などのがんの原因にもなります。また、尖圭コンジローマという性感染症の原因ウイルスでもあります。なので、HPVワクチンは男性にも女性にも有効なワクチンなのです。
日本では、男性もHPVワクチンを接種できますが、定期接種化されていないのが現状です。男性の定期接種化がされている国もあるので、近い将来日本でも定期接種化されることを願っています。
私の子どもたちが大きくなるころには、どうなっているでしょうか…。定期接種化されていてもいなくても、HPVワクチンの接種の必要性をしっかり説明できるようにして、子どもたちと一緒に考えたいなと思っています。
私が検診を受ける理由
小児科クリニックで働くようになってから、子宮頸がんやHPVワクチンについて様々な情報を得ることができ、20歳に行ったきりだった子宮頸がん検診に毎年行くようになりました。(今回の検診で、かかりつけの産婦人科の先生に、特に問題なければ2年に1回の検診でいいよと言われました)
HPVにはいろいろな型があります。そのなかに子宮頸がんの原因となる高いリスクの型や、性感染症である尖圭コンジローマの原因となる低いリスクの型があります。
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となる高いリスクの型のなかでも、特に重要な型の感染が予防できるように作られています。接種するワクチンの種類にもよりますが、子宮頸がんの原因となるHPVのうち6、7割~9割の感染を予防できるといわれています。
ただ、ワクチンを接種したからといって、すべてのHPVの型を予防できるわけではありません。そのため、定期的な子宮頸がん検診が必要となります。そして、HPVの持続的な感染が子宮頸がんの原因になるため、過去に検査を受けて大丈夫であっても、次も大丈夫とは保証できません。
というわけで、私は今年も子宮頸がん検診に行きました。小児科クリニックで働いていたときに正しい知識を得たから、今こうやって検診に行っています。もっと早くに正しく知っていたらな…とも思います。
まとめ
正しい情報を得る、自分事として考える、選択して行動する…最近ようやくその大切さに気が付けたように思います。HPVワクチンについてもそうです。あのとき、正しく知って、自分事として考えられたら…と今になって思います。
HPVは性的な接触で感染しますので、HPVワクチンや子宮頸がんに関するトピックスも性教育のひとつです。あのとき知っていたらワクチンを打ったのに…というように、知らなくて後悔する人が一人でも減るように、正しい知識や情報が必要な人に届くといいなと思っています。
この記事を書くときに参考にしたサイトがこちらです↓
一般社団法人「HPVについての情報を広く発信する会」が運営されている、”みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト” というサイトです。とても分かりやすかったので、気になる方はチェックしてくださいね♪