同意と境界線
性教育を学んで知った、”同意”と”境界線(バウンダリー)”の意味。これらのことを知るまで、気にしたことも考えたこともありませんでしたが、お互いに心地のよい人間関係を育む上で、とってもとっても大切なことです!
『子どもを守る言葉「同意」って何? YES、NOは自分が決める! 』という絵本が、同意と境界線についてわかりやすく説明しています。この本の内容を紹介しながら、同意と境界線について学んだことをまとめたいと思います。
この本は、分類としては児童書になるのでしょうか…?同意や境界線について学んでこなかった私のような人がいれば、ぜひ子どもと一緒に読んでもらいたいおすすめの1冊です!
からだの自己決定権
同意と境界線の話をする前に、まず知っておきたい大切なことに、”からだの自己決定権”というものがあります。これは、「自分のからだは自分のもの」「自分をどうするか決めるのは自分だ」ということです。
人が自分のからだについて「自分のことは自分が決める」ことは当然だ!ということですね。そんなん当たり前やんか、と私は最初に思いましたが、私たちが生きてきた社会では、ほんとうにこの権利が尊重されていたのでしょうか…
この大切なキーワードを踏まえて、”同意”と”境界線(バウンダリー)”について考えてみましょう!
境界線(バウンダリー)
境界線(バウンダリー)ってなに?
自分のからだは自分のもの、自分のことは自分が決める!ということで、自分の”境界線(バウンダリー)”も自分で決めることができます。じゃあ、この”境界線(バウンダリー)”っていったい何?
この絵本では、”境界線(バウンダリー)”のことを、『自分が「だいじょうぶ」だと思うことと、「これはイヤだ」と思うことの間を分ける、見えない線のみたいなもの』と表現しています。
たとえば…
❁親にハグをされるのはいいけど、知らない人ならイヤだ
❁友達に手を触られるのはいいけど、頭を触られるのはイヤだ
などなどいろんな境界線がありますね。
この”境界線(バウンダリー)”は、一人ひとり、相手によって違います。私の場合、ハグをするのは、私の子どもたち、夫、私の母親、父親なら大抵◎だけど、近所の人や家族の友達は大抵×かな、といったように…
そして、もう一つ大切なこと!自分の”境界線(バウンダリー)”は、相手や時によっても変わることがある、ということ。私も、子どもたちに背中にドーンと乗られても大丈夫という日もありますが、今日はやめてほしい…という日もあります。このようなことは誰しも経験があるかと思います。
境界線”バウンダリー”を決めるのは自分!
最初にも言いましたが、大切なのでもう一度。自分の”境界線(バウンダリー)”は、自分で決めることができます。絵本では、親戚のおばちゃんに「ぷにぷにほっぺをつねつねさせて!」と言われる例がでてきていました。どうするか決めるのはキミ!と「ハイタッチがいい」と答えると、おばちゃんも「あら、いいわね」とハイタッチ。(素敵なやり取り♡)
誰かが境界線(バウンダリー)を越えようとして、もやもやしたり、嫌だなぁと思ったり…そんな時は、嫌という気持ちを言葉や行動で示してもいいということも、絵本ではしっかりと伝えてくれています。
ただ、ときには安全や健康のために自分で決められないこともあります。たとえば、駐車場では大人と手を繋ぐとか、病気を治すために薬を飲むこととか…ただ、そんなときであっても、「もっとやさしく手を繋いでほしい」とか、「薬を飲むのを頑張れるようにぬいぐるみと一緒がいい」とか、こんなことは自分で決めてもいいですね!
同意する/同意をもらうってどういうこと?
同意ってなに?
人によって、境界線(バウンダリー)が違うことがわかったと思います。何をイヤだと感じたり、好きだと思ったりするかは、人によって違う…なので、何かするときには、相手に聞くことが大切です。
あなたが~しようということに相手が賛成なら「いいよ(YES)」と言う、これが”同意”です。同意がもらえなければ、やめなければなりません。お互いのからだに関わるときは、特に大事なことです。
同意に大切な2つのこと
❁自分がどう思っているか相手に話すようにしよう(はっきり言う、直接言うのが◎)
❁相手の気持ちや想いをよく聞くようにしよう(自分なら気にならないことでも、イヤな気持ちになる人もいるからね!)
相手が同意しているかを知るとっておきの方法…それは、”相手に聞く!”こと。これを日常的にしているかと聞かれると、私もできているか怪しいです…。このあいだも、次男とお風呂に入る前に流れ作業のように服を脱がそうとして怒られてしまいました。学びはじめてから実践もしていますが、まだまだ身についていないなぁと反省する日々です。
また、聞いたときにはっきり返事があることもありますが、はっきりしないこともあります。もし、はっきりわからないのであれば、それは”NO”です。そして、力ずくで同意させたときも、ほんとうの同意ではありません。これも伝えたい大切なポイントです。
まとめ
”同意”と”境界線(バウンダリー)”は、お互いに心地よい人間関係を育むために大切なことです。私自身もあまり気にせず生きてきましたし、日本の社会全体も同意を尊重するようなものではなかったのではないでしょうか。
人にはそれぞれ自分で決められる”境界線(バウンダリー)”があって、それを守るために”同意”をとることが必要だということ。どんな関係性であっても、お互いがお互いを尊重し合うことが大切だと改めて感じます。
私たち大人がこのような意識をもって子どもたちに接することで、子どもたちも同じように同意や境界線の大切さを感じてくれるのではないかと思っています。
今回ご紹介した『子どもを守る言葉「同意」って何? YES、NOは自分が決める! 』という絵本。まだまだ紹介しきれていない知っておいていただきた内容もありますので、ぜひご家族で読んでみてください♪