SOGIEって知ってる?
性教育を学びはじめて知った ”SOGIE” という言葉。みなさん、聞いたことはありますか?LGBTQは聞いたことがありましたし、性のあり方が多様であることもなんとなくですがわかっているつもり…。もっと学びを深められたらなと1冊の本を読んでみました。
『性の多様性ってなんだろう? (中学生の質問箱) 』という本。中学生の質問箱シリーズということでしたが、とても読みごたえがありました。この本から、そしてその他自分で学んだ内容をまとめたいと思います。
SOGIEってなに?
LGBTQってなに?
SOGIEの話の前に、まずLGBTQが何かまとめてみたいと思います。このLGBTQという言葉は、聞いたことがある人も多いと思います。これは、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の人たちを表す言葉のひとつとして使われています。
L(レズビアン/Lesbian:女性の同性愛者、性自認が女性で、女性を好きになるひと)
G(ゲイ/Gay:男性の同性愛者、性自認が男性で、男性を好きになるひと)
B(バイセクシュアル/Bisexual:両性愛者(男性も女性も好きになるひと)
T(トランスジェンダー/Transgender:出生時に割り当てられた性別と性自認が異なるひと)
Q(クィア/Queer:「変わったひと」が元の意味とする、セクシュアルマイノリティ全般を表した言葉。クエスチョニング/Questioning:自分の性のあり方をはっきりと決められなかったり、わからないひと、または決めたくない・決めないとしているひと)
また、さらに様々なセクシュアリティがあるという意味で+をつけて、LGBTQ+と表現されることもあります。同性も異性も関係なく他者に対して恋愛感情も性的な欲求も持たない アセクシュアル 、ジェンダー・アイデンティティが男性でも女性でもない Xジェンダー をはじめ、様々なセクシュアリティが存在しますし、これらのような言葉に当てはまらない人(当てはめたくない人)もいます。
LGBTQ+と表現することで、LGBT以外のセクシュアル・マイノリティも無視しないということ、そしてさまざまセクシュアル・マイノリティが差異を大切にしながら差別をなくしていこうという思いを示すことにつながっているそうです。
LGBTという言葉は、セクシュアル・マイノリティの人権を保障しようという社会活動の中で使われてきた歴史があります。それだけ、自分の体の性別に違和感がなく(シスジェンダー)、異性を好きになる(ヘテロセクシュアル)のが、”当たり前” ”普通” という考えが社会全体に浸透していることがわかりますね。
学んでいくうちに、私も性のあり方は多様だとわかっているつもりになっていただけで、無意識的に普通とは違うものという考え方をしていることに気が付きました。
SOGIEってなに?
SOGIEは、Sexual Orientation(性的指向)& Gender Identity(性自認) &Expression(性表現)の略で、「性的指向と性自認・性表現」を表す言葉で、性の多様性を表すときに使われるようになってきています。SOGIEは一般的に「ソジー/ソジイー」と読まれます。
多様な性のあり方には、「生物学的な性」「性的指向」「性自認」「性表現」の4つの要素があるといわれています。
生物学的な性
まずは、生物学的な性(からだの性)、生まれながらの身体的特徴に基づいた性。私たちのからだの性別は、性染色体(DNAの中の一部分)やホルモン、性腺や外性器の形状などによってオスやメスであると判定されます。たいていの場合、生物学的な性は生まれたときに確定して、それに沿って私たちの人生がスタートすることとなります。
性的指向(Sexual Orientation)
性的指向とは、恋愛感情や性的関心が「どのような性別の人に向いているのか」ということを表します。簡単にいうと、好きになる性のことです。
異性に恋愛感情や性的な関心を持つヘテロセクシュアル、同性に惹かれるゲイやレズビアン、好きになる相手の性別はあまり重要でなかったり同性にも異性にも魅力を感じるバイセクシュアル、恋愛や性愛に関心が薄かったり、全く関心をもたないアセクシュアルと呼ばれる人たちがいます。
性自認(Gender Identity)
性自認は、「自分の性をどのように認識しているのか」という内的な感じ方のことを指します。
「性自認」と「生物学的な性(からだの性)」が一致していなかったり、「生物学的な性」とは異なる性で生きようとしたりする人たちをトランスジェンダー、「生物学的な性」と「性自認」が一致している人のことはシスジェンダーといいます。また、男女どちらともつかない、もしくはどちらの要素も持っている人の性自認をXジェンダーと表現することもあります。
性表現(GenderExpression)
性表現とは、らしさの性、服装やしぐさ、言葉遣いなどどのように自分を表現するかということ。必ずしも、生物学的な性や性的指向、性自認と連動しているものではなく、その日その日で違ったり変わったりするものです。
性はグラデーション
性的指向、性自認、性表現は、男性と女性とハッキリ2つに区切られるものではなく、人によってその濃淡も異なります。性を男性か女性かの2つに分けるのではなく、連続するもの、「性はグラデーション」という表現がされるようになっています。
ひとつひとつの性の要素に濃淡があるので、その要素の組み合わせで成り立つ性のあり方は、十人十色。私も自分の性ってどんなだろう…と考えたとき、全く同じ人なんていない、みんなそれぞれ違っているのが当たり前なんだなと思いました。
性の多様性について考える
性の多様性ってなんだろう…
SOGIEは、すべての人が、誰もが持っている性の要素です。SOGIEという言葉を知ることで、自分の性が多様なセクシュアリティのひとつだ知ることができました。性の多様性はどこか他人事のようでしたが、自分事として考えることができそうです。
私も、性の多様性ときくと、どうしてもLGBTQといったセクシュアル・マイノリティのことだと思ってしまいがちでした。セクシュアル・マイノリティの人がいるから性が多様だと言われるのではない、すべての人が一人ひとり違った性を持っていて、誰もが多様な性のひとつにすぎないのだということ。
SOGIEについて知ってはじめて ”性のあり方が多様である” ということが理解できたように思います。全ての人が自分として生きられるように、そんな社会なるためにも、SOGIEについて多くの人に知ってもらいたいと思いました。
私になにができるのか
性教育をアップデートしたい!ということで性について学んでいる真っ最中。こんな私に一体何ができるだろう…と考えます。自分の体の性別に違和感がなく、異性を好きになるのが、”当たり前” ”普通” という考えが浸透している現状では、子どもたちもそれが当たり前、普通と感じていくようになるのかなと思います。これがほんとうにそのまま子どもたちに伝わってしまっていいのか…と考えたとき、私の答えはNOです。
子どもたちにも、性のあり方は多様なんだよ、みんな違っているものなんだよと伝えたい。そのまえに、まず私自身が、知識を得てよりよく理解し考え行動したい、そんなふうに思います。
~だから、こうあるべきだと「らしさ」を押し付けないように気をつけたり、いろんな性を持つ人がいることを意識して自分の言葉や思い込みに気が付けるようにしたり…自分事として考え続けたいと思います。
性の多様性について描かれている絵本も今はたくさんあります。子どもたちにみんなそれぞれ違っているのが当たり前なんだと絵本を通して感じてもらえるように、そして私も一緒に学べるように、絵本の読み聞かせもしたいと思っています♪
まとめ
自分の性について考えたこともなかったですし、自分が『性の多様性』のなかのひとりだという認識もありませんでした。これからは、自分事として性のあり方の多様性について考えていきたいと思います。
全ての人が自分として生きられるように、すべてのセクシュアリティの人が安心して生活できるようにするためにも、このSOGIEという言葉や考え方を知ることはとても大切だと感じています。たくさんの人が自分事として考えられるようになれば、よりよい社会に少しずつ近づくのかもしれないですね。